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読んでつくる知の体系

読んだ本、お勧めしたい本を紹介。ノンフィクションが多め。

『プレ・シンギュラリティ』 齋藤元章


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人工知能・AI」という言葉がメディアに掲載されない日がないほどになり、日増しにその存在感も大きくなってきた。社会問題の中でも取り上げられることも多くなり、ここ最近で大きな関心を持たれる分野になった。本書は『エクサスケールの衝撃』の内容を半分に凝縮した本である。

 

 

1章:急速に近づく「プレ・シンギュラリティ(全特異点)」

2章: 「エクサスケール・コンピューティング」によってすべてが変わる

3章:まずエネルギーがフリーになる

4章:生活のために働く必要がない社会の出現

5章:人類が「不老」を得る日

6章:新しい価値観が生まれる

終章:我々日本人が次世代スーパーコンピュータを開発する

 

本書の中で出てくる「エクサスケール・コンピューティング」とは、エクサフロップスを超える演算性能でのコンピュータ処理をすること、今現在で使われている京速計算機「京」の100倍となる1000ペタフロップス、すなわち1エクサフロップス級の性能を持つスーパーコンピュータでの処理速度を意味する。

 

 

エクサスケール・コンピューティングが現実のものとなったとき、それによってもたらされる変革は、これまでに我々人類が経験してきたあらゆる変革よりもはるかに巨大で、本質的で、根源的なものとなる。しかもその変革は単一のものではなく、多様で広範であり、我々の生活や社会全体の仕組み、そして人間の価値観や尊厳のあり方までを含めて、それらすべてを一気に変えてしまうだけの衝撃を持つものである。

 

 

エクサスケールの衝撃は早くて10年後にやってくると言われている。

 

本当の「シンギュラリティ」、すなわちコンピュータ自信の知性が、あるいわそれがつくりだす新しい人工的な知性が、「人類全体の知性の総和」を大きく超越する世界、その新しい世界が到来する前にも、「プレ・シンギュラリティ」というべき、最初の大きな変革点が到来することを、そしてそのプレ・シンギュラリティに対して、我々が人類はまず備えなくてはならないことを、本書では繰り返し説明したい。

 

 

次世代スパコンが完成し、今までお金を払ってきたエネルギー(電気)や食料などが無償となり、我々が行ってきた労働が、AIの搭載されたロボットに変わる。余暇の時間が今よりももっと多くなり、創造的な活動をする機会が増え、そして新しいものや価値観ができる。今までSF小説で語られてきたことがリアルになるのだ。

 

人工知能やAIが光を浴びるようになってきたが、根っこにあるのは次世代スパコンの恩恵なのだとこの本を読んで学んだ。「人工知能・AI」について知りたい方は、本書を、または『エクサスケールの衝撃』に目を通すと視野が広がるはずだ。

 

早く次世代スパコンが完成してほしいし、新しい世界を見てみたい。それまでは生きていたいと切実に思う。