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読んでつくる知の体系

読んだ本、お勧めしたい本を紹介。ノンフィクションが多め。

『星空の演出家たち 世界最大のプラネタリウム物語』


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年間50万人の見学者が訪れる名古屋市科学館プラネタリウム。1962年に開館し、2011年にわずか3年という短期間の工事で世界最大のプラネタリウムにリニューアルした。新聞の「おすすめのプラネタリウム」ランキングで、2度も日本一に選ばれたこともある。生きているうちに、1度は行ってみたいスポットだ。

 

今回の舞台は、そんな名古屋市科学館天文係学芸員のものがたり。

話を進めてくれるのは、歴代で2人目の女性解説者の中島亜紗美さん。小学生のときに、母の勧めで名古屋市科学館を訪れて以来、宇宙や星に興味を持ち、大学で学芸員の資格を取ったのち、名古屋市科学館プラネタリウムの解説者となる。

 

プラネタリウムに行ったことがない人に紹介すると、ただ頭上に映し出された星々を見るだけではない。解説員の人が投影された星々に関する話をしたり、時事的な話をユーモアを持ってはなしてくれる。

 

新人の頃の中島さんが先輩解説員の北原さんに手厳しく指導されるシーン。

「……、名古屋市科学館伝統の『対話式の解説』を意識してほしいの。それは見学者の言葉を拾って会話するということじゃない。幼児投影では場内の子どもたちと実際にキャッチボールをしながら進められるけど、相手が大人の場合はそうはいかないわよね。そんな場合には、声なき相手の雰囲気を察しながら、日常的な普通の言葉で語りかける。これを私たちは、『解説者と見学者との対話』と呼んでいるの。」

また「……、解説にはね、今まで人とどのようにコミュミケーションしてきたか、が出ちゃうの。中ちゃん(中島さん)の話し方は緩急がなくて、そよ風みたいに流れていっちゃう。これじゃあ、録音された解説と変わりないわよね。」

そうなのである。名古屋市科学館プラネタリウムの一般投影では、50分間台本を見ず、生の声で話し続けなければいけない。録音声でない分、見学者立場からするととっても新鮮ではある。解説者は真っ暗な中でも、見学している人の「へぇー」「なるほどー」「オォォォォ」などプラネタリウム内の雰囲気や反応、見学者の表情を確認しながら話を進めるという。北原さんがおっしゃるように、話術というか、「場」をつくる技術が必要のようだ。

 

私もこの本を読んで興味を持ち、名古屋市科学館まで足を運んだ1人である。

よく本を読んで興味があったことや気になった場所には、その熱が冷めないうちに行くことにしている。

ここ名古屋市科学館にはプラネタリウム目的で行ったが、科学館内もいろいろな科学、たとえばマイナスの世界を体験できたり、水の科学や音の科学、さまざまなブースが設けられ、見てまわっていたら時間もあっという間に過ぎていた。時間も夕方になった頃、本日最後のプラネタリウム一般投影のお時間。始まる数分前になると、ぞろぞろとカップルや子ども連れ、驚いたのがスーツを着た50〜70歳くらいのおじさまが何十人も集まって、プラネタリウム内は席いっぱいになっていた。おじさまたちはおそらく学者さんだったのか、ウキウキしながらプラネタリウムを待つ列に並んでいたのを思い出します。かわいい。

解説はその時期空に見える星々の解説や面白いウンチク話、最近日本で発見された”ニュートリノ”にまつわるお話、気づいたら50分間終わっていた感じでした。

また年を重ねてから来てみたい。